2015年3月4日水曜日

MLA・磁界ループアンテナを作ろう 5

いよいよ方針が固まり形が見えてきました。

目標は200Wで連続送信可能なモノ。
アルミフラットバーを使った直径約1.1mのループです。
アルミフラットバーの定尺は4mですから切らずに使えばもう少し大きくなります。しかし28MHz帯では負荷容量が小さくなり浮遊容量を考慮した場合実現不可能になると思われ3.5mで作ることを想定しています。
共振用バリコンは約60pF、耐圧7kV、バタフライ型です。
バリコン制御にはRCサーボを使いバンドごとのプリセット可能なものとします。ローバンドでは同軸ケーブル流用付加コンデンサを使用。
但しこれがうまく行くかは??? 疑問符がいっぱいついています。
疑問符のいくつかは製作段階で変更の可能性が有ります。

7kV超の高電圧  沿面放電に要注意!
高電圧に関してアマチュアの経験と勘に頼るしかありません。
今回の実験で対象物は短波帯の高周波電流です。直流とは大分様子が違うようです。
1mm-1kV 耐圧1kV必要なら1mmのギャップが必要、頭の中に書き込まれたこの数字不思議と大きな間違いはないようです。
7kVですから7mmです。バタフライ直列ですから3.5mmあればよい。
しかしこれで何回も失敗しています。電流が空中を通るならこれで良いのですが絶縁物が有るときは別です。
この部品はもう使えない
私たちの工作では絶縁物にガラスやセラミックなどは使えません。
しかし加工は容易ですがプラスティックの絶縁物は曲者です。絶縁物としての性質だけでなく誘電体としての性質も考慮しなければなりません。 と云うコトは電気を蓄えてしまうためその電位が変わってきます。そのため予想以上の高電圧が掛かる場合が有ります。
さらに、この絶縁物の表面を伝わって放電する沿面放電が有ります。これは気中放電(空気中を放電する)や貫通放電(絶縁物の中を通り抜ける)の10倍以上の距離を放電するようです。
参考写真は以前に作ったモノですが、ロータとステータ支持金具間で沿面放電を起こしたと思われます。
また絶縁物の耐圧はDC電圧で表示されてる場合が多いですが高周波ではその振る舞いが違うようです。
今までの経験で沿面放電は空中の5倍くらい今回の例では35mm以上離せば何とかなる??程度の自信しかありません。(天候で大きく変わります)
貫通放電にも見えますが?
出来る限り離しておきましょう。尖りが有ると放電しやすくなります。 同軸コンデンサが端子付近で放電しました。貫通放電にも見えますが沿面放電を起こし更に貫通放電に進んだと思われます。
同軸ケーブルの耐圧はフジクラの規格表では3D2V以上はどれも1kVとなっていますがコネクタ部分も考慮しての規格と思います。5D2V以上であればこの程度の電圧では貫通放電には耐えられると思われますがこの写真の例では10D2Vを使用しています。 *今までの実験ではケーブルの途中で貫通した例はありません。
同軸コンデンサの端子付近の写真ですが左側外皮は接続しないので充分距離を取り後ろへ折り返しテーピングします。
右側芯線は接続しないので芯線との距離を多くとりしっかりテーピングします。
雨でぬれたりすると絶縁耐力は低下します。放電は一度でも発生すると表面が炭化されてしまうのか電気の通り道が出来て使用不能になり、何回も作り直しています。
安全のためには充電部を露出させない工夫も必要です。これは放電対策にもなるでしょう。

* 高電圧の放電に付いて私は理論的裏付けを持ちません。高電圧測定器も有りません。
経験的に判断しているだけです。 危険が潜んでいる可能性が有ります。
* 動作がおかしいときは異常放電を疑いましょう。夜間に照明を消して見ると放電が見えることが有ります。

環境対応は
このバリコンは当然のように屋外で使われます。もちろん雨の日も。
そのためには防水とまで云わなくても防滴ケースぐらいは考えなければなりません。ケースとして色々な素材を検討してもプラスティックにならざるを得ません。
プラスティックは誘電体としての問題点の他、紫外線による耐候性の問題が有ります。
大きさだけを考えて適当な箱を用意しても屋外で1年も使うとひび割れして来ます。それらを考慮して行き着いたのは建材の塩ビ管。安い割に丈夫です。強いて言えば丈夫過ぎる?かもしれません・・・重いのが欠点です。
今回の実験では塩ビ管VU100を使用します。両端はVUキャップです。 同じ呼び寸でVPタイプが有ります。丈夫ですが重くなり不適当です。
試作を始めようと図面を書き始めましたがサイズが小さすぎるようです。
今回の試作ではかなり無理をしています。
もし実験して見ようと思われるならVU125のほうが良いかもしれません。ホームセンタなどで実物をご覧になりサイズを決定することをお勧めします。
また、VU125はあまり使用されないサイズで定尺でないと販売しない店も有ります。





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