2013年6月16日日曜日

144MHz帯でも使える・20dBカプラ 1

N型のコネクタの回路を通過する電力から-20dB(1/100)の信号をBNC側に取り出すユニットです。
中身はトロイダルコアが一つ、ビックリするほど簡単なものです。
コアには10回巻きの検出コイルを付けます。
調整するところはありませんが、コアの材質や組み立てが不適当な場合周波数特性が悪くなります。

N型コネクタは同軸ケーブルで接続されていますが外皮の接続は片側だけです。
つまり芯線に流れる電流を検出しているのです。外皮は容量結合をしないためのファラデーシールドとなっています。

このコアについて参考資料(トロイダルコア活用百科・山村秀穂著)に複数の応用例などの記述が有り FT50-72 クラスのモノが使用されていました。
私としては手元にあるジャンク品が使えないか大きさも考慮しながら選んでみました。どれも100円以下で購入しましたが外れもも多く無駄な買い物になっています。
コアのジャンクは見ただけでは全く素性が解らないことが多いのですが長年のカンで一番下にあるものでテストしてみました。
こちらは入力の信号です。
信号源は自作の『超手抜きスイーパ』です。
http://park15.wakwak.com/~ja1cvf/diy/sweeper/sweeper.html
一応220MHz程度まで信号を取り出すことが出来ます。
こちらは出力信号です。
こんなにうまく行くとは思いませんでした。写真は省略しましたが144MHz帯でも充分。さすがにそれより上では暴れてきます。
コアを選べば200MHzでも使えるようになると思いますが低い方がダメになるかも知れません。
コアの選別だけでなく、小さくまとめるなど全体の構造も考慮しないと難しいでしょう。

私が作ったものはスペアナ、スイーパ、等と併用するために作ったのモノですが前述の資料にはとても参考になる応用例も出ています。
スペアナなどお持ちでなくても使い道はいろいろ、役に立ちます。