2016年6月8日水曜日

GPS同期 10MHz周波数基準機

超簡単
GPS同期 10MHz周波数基準機 作りました。
GPS同期 10MHz周波数基準機

トランジスタ技術2016年2月号に特集でGPS受信機を利用した周波数基準機の話が出ていました。
これで無線機や周波数カウンタの校正ができないだろうか?
私の利用範囲としては1ppm(1/1000000)程度欲張ってももう一桁でしょう。私の持ってるカウンタも8桁表示で0.1Hzが測定限界です。
特集では0.001ppmを目標にした本格的基準機の記事も有りましたが何回も読み返してるうちに1ppm程度なら 『簡単に出来そう』 と思えるようになってきました。
そんな折、友人と基準機の話が出ました。何と彼はもう作ったというのです。早速見せてもらったら想像通りのモノ。
* 画像をクリックすると拡大します。

GPS受信機から直接10MHzの信号を取り出す。
今回のターゲットは、秋葉原のAitendo で売られている NEO6M-ANT-4P です。
NEO6M-ANT-4P
アンテナ付きで¥2780と激安ですが出力は、1Hz です。
これは設定変更により10MHzも可能。ただし定格外なので出力波形が大きく乱れています。それをバンドパスフィルタを通し基準機として使えるようにするというものです。
この NEO6M-ANT-4P が要注意なのは結構怪しい品質と説明書はほとんど無いことです。店員に聞いても 『そこに書いてある以外解りません』 との返事。書いてあるのは品名と値段だけ。
解らないことは自分でnetなどで調べる、さらに不良があっても自分で対処する覚悟が必要です。
今回もバックアップ電池周りのトラブルに巻き込まれました。
これも遊びのウチと思えれば楽しいものです。
仮組でテスト
必要な部品はAitendoで購入しました。
NEO6M-ANT-4P GPS受信機ANT付き
U2TL340-5P USBシリアル変換基板
バンドパスフィルタ用としてインバータIC 74HCU04 
コイル CY09 2個
CYTECのハムバンドコイルを購入しました。
CYTEC  http://www.cytec-kit.com/
その他ケースや小物部品が必要。
回路図等はトランジスタ技術 2016年2月号 を参照ください。

NEO6M-ANT-4P の使い方や設定についてはトラ技2月号に出ていますが初めての人には難解かもしれません。 とりあえず回路図を見ながら電源とANTを接続すれば動作確認はできます。


そのときついでに U2TL340-5P も接続してしまえば後が楽です。
netで調べた回路図。
トラ技の説明どおりに進んでいけば問題ないでしょう。 問題になりそうなポイントや設定の方法も特集の中に記述がありますから視野を広げて繰り返し読むことが早道です。

一番重要なバンドパスフィルタについてははっきりと書かれていませんがnet上で見つけることができると思います。
扱う周波数が10MHzですから、それほど難しいものではないでしょう。
CYTECのホームページにもバンドパスフィルタの参考資料があります。
受信機からの信号取り出しについても記述があります。通過周波数は10MHzだけですからフィルタの出力をオシロで見ながら調整すればどんどんきれいな波形になるのが解ります。
このケースに組み込む準備

スイーパなどで帯域特性を見る必要はありません。
コイルの結合容量は小さめで過結合にならないようにします。
出力はリンクコイルで取り出しますが接続される機器の影響を避けるためグランドはフロートにした方がよいでしょう。
インバータ(74HCU04)はフィルタのドライブ用です。負荷の影響を避け十分ドライブするため1段受けてさらに4パラでフィルタをドライブしています。余った1個は表示用ledに使っています。(あまり意味のない使い方です)

ケースは手持ちのタカチSS125、電池ボックスが付いてますけど使いません。アッセンブリ用に蛇の目基盤を加工します。角穴の所にANTユニットを嵌め重ねてNEO6Mを固定します。空きスペースはバンドパスフィルタ用。

netから設定用ソフトをダウンロードしてここまでの動作テストをしておきます。
https://www.u-blox.com/ja/



1PPS(1秒)のパルスはこんなに綺麗。蛇の目基盤にバンドパスフィルタを組み込みます。

10MHzの波形はこんな感じ。
バンドパスフィルタを通すとびっくりするほどきれいになります。

設定の方法やバンドパスフィルタについてはトラ技を参照ください。

すべてが組み込まれたアッセンブリ基板。
はみ出してるバックアップ電池は基板にのらなくなったのでリード線を付けて隙間に押し込みます。



多くの方が遭遇した設定保存ができない問題。
これは多くの場合メモリバックアップ電池 (MS621FE) のトラブルのようです。
電源は5Vです。これを供給すればバックアップ電池用の3.3Vが供給されます。
電池の電圧を測定し異常があれば原因を追究してください。
ハンダづけ不良、電池不良などが考えられます。長期放置のため電圧が低下したものは復活する場合があります。
基板パターンの不具合で電池が正しく付けられていないようです。
この電池は3Vリチュウム2次電池です。秋月や稲電機(少し大きい)でタブ付きのモノを売ってます。普通のコイン電池や、3.6Vリチュウムイオン電池と間違えないようにご注意ください。
私の場合電池充電回路のハンダ不良でした。しかし充電しても復活しなかったので電池を交換しました。
基板上の電池スペースはとても狭く外すのもひと苦労でした。リード線を引き出し外部につけています。
これは同じAitendoモデルでもバージョンによって違うと云う話もあります。
使いやすいようにケースに入れれば完成です。
私は設定の時必要なUSB接続のことを考え電源もUSBから取っています。 電流は変動がありますが90mA程度です。
完成してしまえばコンピュウタは不要ですから小さなモバイルバッテリを使用しています。電源SWは付けていません。
appendix
私がアマチュア無線(HAM)を始めた頃、短波の受信機で1KHzが読めるのは高級機でした。送信機だって10W以下のアマチュア無線局は周測計はなくても良かった。水晶振動子銘板表示を信じていただけです。実際には0.025%以内であると信じていただけでした。
ご存知のように水晶振動子の発振周波数は発振回路の条件でかなり違ってくるのですがそんなことは気にしていない時代だったのです。電波標準として JJY があっただけでした。
しかしHAM人口が増えたりデジタル信号を扱うようになってくると相手局とぴったり周波数を合わせておかなければ効率よく通信ができません。100Hz以内にしておきたい。実際にはもう一桁精度を上げたい。
私の使ってるトランシーバはTS-850S-Lはその偏差0.5ppm。と云われてます。しかし購入してから一度も周波数校正をしていません。カウンタは持っていますがそれも校正されていません。
そんな折見かけたトランジスタ技術(2016Feb.)記事 『GPS電子工作』
その中に、GPS受信機から10MHzの信号を取り出す記事がありました。
これはGPSの基準に同期した信号ですからいつでもすぐに使える基準機です。ウオーミングアップも不要です。
私にも作れそうとアイディアをそっくりまねして作ってみました。そのような訳で詳細はトラ技2月号を参照ください。



2016年1月30日土曜日

宙玉(そらたま)レンズを作ってみました。

虫の目レンズというのは有名ですが同じような発想の宙玉レンズ!
ざっくり云えば、魚眼レンズのような超広角で大深度フォーカスのレンズです。
クリックすると拡大できます
こんな感じに写ります。
中心の画像と周りの背景?がポイントです。一般的に虫の目レンズは中心部分だけです。
レンズ構成はいろいろあるようですが一番簡単な前玉に30mmのアクリル玉、カメラとの接続は手元にあったクローズアップレンズ(X2)を使っています。この部分はフィルタリングなどでOKです。
撮影原理は、凸レンズ(虫メガネ)を焦点距離以上離して目の前に置くと倒立の実像が見えます。
紙などに印刷された文字を見るように焦点距離以内に置いて大きく見るのは正立の虚像です。
この倒立の実像が見える範囲にカメラを置いて撮影したのが宙玉レンズの画像です。
ズームの取り方で鏡筒の映り込みが出ます
普通の虫メガネでは焦点距離が長く、画像が倒立になるだけですが短焦点のレンズを使うと広角になります。
その最たるものが球形です。都合のよいレンズを探すのは至難の業ですがガラス玉やアクリル玉は簡単に手に入ります。もちろん光学レンズではありませんので歪も有ります。
おもちゃのようなものですからあまり気にしません。
このレンズを使う場合必要な条件があります。
★ この画像を写すカメラですが接写ができること。
接写ができないと鏡筒がその分長くなって使い勝手が悪くなります。
レンズを付けるためのアダプタ(グレーの筒)
★ レンズを取り付けるフィルタ用ネジ(フィルタリング等のアダプタでも可)があること。
普通のカメラにはレンズの先端にフィルタなどをつけるネジが切ってあります。カメラによってはフィルタアダプタが別売になっているものもあります。コンパクトカメラの場合は要注意です。
◎ 私はキャノンのG12を使いました。このカメラはオートフォーカスで1㎝からの接写ができます。さらに別売ですがフィルタアダプタも販売されてます。
私はこの部分は自作品を使っています。こちらを参照ください。
http://ja1cvf1.blogspot.jp/2012/01/canong12.html
さらにG12はバリアングルのモニタが付いていますからカメラアングルを自由に選べます。
★ 写した写真を加工できるコンピュータ。
このレンズは中心画像と背景画像の微妙なバランスに楽しみがありますのでコンピュータによる画像加工が必要です。写した画像は、中心部が倒立です。180度廻したり、さらに鏡筒によるケラレなども手を加えたくなります。

鏡筒の組み立て
鏡筒周りの材料
鏡筒は塩ビ管の端切れ(76φの雨どい)です。長さは約67㎜です。
これに円板をはめて構成します。
アクリル玉は30㎜ですから2㎜のアクリル板に少し小さめの穴をあけて接着します。
写真ではよく解りませんが上の右側にアクリル球を付けた円板が見えます。
こういうレンズ遊びをやったことがあればこの板の固定方法はお解りと思いますが、鏡筒の内部に前後から帯板を貼りアクリル板を固定します。
円板の切り方
円板はセンタ軸(左側の細いピン)を中心として板を回転させながら切り出します。
カメラ側のベースは10㎜の板で作りました。
内径を間違えたので修正しています。ベース板に位置決め用のアタリ(下の写真に見える2本のビス)をつけて回転させながら内側を削ります。
このリングは鏡筒とビス止めです。内側の穴はフィルタリングの直径に合わせ側面から芋ネジで止めています。これらの加工はフライス盤を使っていますがボール盤でも不可能ではありません。
結構ハードルは高いですがお試しください。
ご不明の点があればコメント欄に書き込んでください。


円板(円盤)加工については ラベル・円盤加工 を参照ください。

2015年9月13日日曜日

消し忘れ防止コンセント

ハンダごてなど熱器具の切り忘れは時として大惨事になります。そう云う私、何回も消し忘れをしています。
作業台の側面に設置
幸い火災事故はありませんがそれはウンが良かっただけ。
100回の軽過失が10回の中過失を招き、10回の中過失が取り返しのつかない大事故を引き起こすと云われています。
私はハンダごて専用SW付コンセントをつかっています。使用中はランプが点くのですがそれほど明るいモノではなく結構見落とします。
明るいLEDなどに交換してみましたが100%の改善とは云えません。
ランプはその方角を見ないとわからないのです。もちろん更に強力な照明を付けることもできますが、スマートではありません。
発想の転換! ハンダごてを使用中は音が鳴るのは如何でしょう。
音は小さくても部屋にいれば聞こえます。
電子オルゴールを使ってみました。
使ってみたのは、秋月電子通商のオルゴールキットです。
回路図は秋月の資料からの引用です。
これは1.5Vの電池で動作します。音量は出力に可変抵抗を入れることもできますが電圧を適当に下げて調整しています。電圧を下げるとテンポも狂うようですがあまり気にしないことにします。
SW付コンセントは秋葉原で入手したモノです。このSWと連動してONの時音が出るようにします。
オルゴールはコンセントの出力側から取り出したAC100Vで動作させます。
回路図赤線で囲った部分がオルゴールの電源になりますから電池の代わりに接続します。
音量は電源側の抵抗を調整します。私が使ったのは33kΩ(1/2W)と470Ω(1/6W)です。
* このような簡易電源は感電の危険が有ります配線が露出しないように注意してください。
SW付コンセントの内部は結構余裕が有りますので組み込みは難しくないでしょう。
グリーン色に見える基板がオルゴール基板。蛇の目基板は電源部分。オルゴール部、電源部、は接着しています。
中央がSW、その脇の隙間に基板を入れます。
圧電スピーカは両面テープで張り付けています。
作業台側面のテーブルタップに挿して使用。
手前に黒く見えるのが圧電スピーカ・実際の使用状態はtopの写真では白くなっています。
組立後音量調整用にペットボトルの蓋を被せてあります。
このSW付コンセントには2ケ所後面と上面に挿し込み口が有ります。さらにSWの中にネオンランプが組み込まれていますがそのまま使用しています。
* スピーカカバー・ペットボトルのカバーですが音質や音量に想像以上に影響します。具体的なデータを取り難いですが面白いテーマに発展するかもしれません。

2015年3月22日日曜日

MLA・磁界ループアンテナを作ろう 7

いよいよバリコンの制作です。 今回は失敗のお知らせもあります。

秋葉原やホームセンタで入手可能な材料を使い、特別な工具を必要としないでバリコンを作れないだろうか? そして作ったのですがボール盤はどうしても必要です。困難が伴うかもしれませんがドリルスタンドでも可能でしょう。
この心を理念にJA1CXBさんのバリコンを作ってそろそろ20年に成ろうとしています。
今回も基本的には以前造って大成功だったJA1CXBさんのバタフライバリコンの踏襲です。
クリックすると拡大表示になります

今回はVU100のビニール管を使用するため少し小さくなっています。 しかし、サイズの縮小がとんでもない結果となりました。
ビニール管VU100の長さは自由ですが有効径は107mmです。それより大きいサイズのVU管ではとても重くなりアンテナとして使い難いモノになります。
JA1CXBさんのバタフライは確か?150Φだったと思います。ケースは手作りですがその資料は散逸してしまいました。 この場合ステータの取り付け軸等を考えてもロータの直径は120mm程度を確保できました。
ところがVU100で作るには同じような作り方では80Φのロータを作るのがやっとです。いろいろ工夫して100Φのロータを付けましたが、極板一枚当たりの容量が小さくなってしまいました。 と云うコトは極板の数を増やす必要が有ります。そうなると最少容量を小さく出来ません。
目標可変範囲は5~60pFです。
少しでも極板1枚当たりの容量を確保したいための工夫をして作った極板です。
0.5mmのアルミ板をハサミで切り出すのですがこれは見た目より簡単です。
ハサミで切ると平らだった板が無残にもねじれて曲がってしまいます。でもあまり気にすることはありません。
図面を羽根の数だけコピーしてアルミ板に張り付けます。そして曲線でも気にせず線に合わせて切ればOKです。ねじれて曲がっても後でのばせばOKです。
図面をアルミ板に張り付けるノリはスプレーのりを使います。今回は貼って剥がせるタイプ(3Ⅿの55カラー)を使いました。普通のノリではすぐに剥がれて切断位置が解らなくなります。
切断の時、曲がってねじれたアルミ板は手で伸ばしただけでは使えません。平らな板の上に乗せ木ハンマーで軽く叩いて伸ばします。とくに切り口の歪みなどは注意しましょう。
ハサミはこのように軸がオフセットされているモノが使いやすいと思います。とくに直線切りに具合が良いです。
最後はやすりで角を丸めれば出来上がりです。
この技法は耐圧が低く極板のギャップが狭い場合や0.5mm以上の厚板で作るときはお勧めできません。
* 歪みの細かい修正は困難です。
同様にプラスティック円板を作るときはセンタを固定して回転させながら切り込みます。詳細はこちらを参照ください。
<http://ja1cvf1.blogspot.jp/2012/01/blog-post.html>

全体の動作状態をチェックするため仮組します。RCサーボも取り付け動かして見ました。
【参照動画/Facebook  3月18日 11:50   】
一見大成功のように見えますが・・・今回の試作は少し無理し過ぎました。
極板5枚の仮組で容量を測定したところ8~20pFの可変範囲でした。
目標の5~60pFにするためにはどうしましょう。 最小値を小さくするには極板を減らさなければなりませんが、最大値60pFを得るためには極板を増やさなければなりませんので、相反する条件ですから実現不可能です。
* このまま極板を増やすと最少容量は10pF以下にするのは困難です。
もちろん14~28MHz帯のすべてでは無くその一部で使うコト、耐電力を100Wに下げることをすれば使用可能でしょう。(極板間隙用のカラーを8→6mmに変更する)
目標に到達できませんので細かい寸法は省略しました。

目標を達成するにはどうしたら良いでしょう。
思いつくのは バリコンの形状を大きくする ことですが大きくすると重くなりアンテナとして全体の重量バランスが悪くなります。
もう一つの方法として逆の発想ですがメインループを小さくすればバリコンの最少容量が大きくても可能となります。しかし効率は低下します。
この兼ね合いをどうするかバリコンの形状をもう少し考えて見ます。

さらに今回メダマのRCサーボですがノイズの問題(これは何とかなりそう)と、サーボモータへの高周波回り込み対策が出来ません。サーボアンプの至近距離に高電位の信号が有るのでその対策に名案が浮かびません。
古典式のDCモータ制御方式にするか思案中です。
そのような訳でしばらく時間を頂きます。

2015年3月16日月曜日

MLA・磁界ループアンテナを作ろう 6

良くない知らせ。
まだ本格的な制作に入ってないと云うのに、友人から良くない知らせです。
それはRCサーボに関する問題です。
受信中、RCサーボを動かしたとき強烈なノイズを発生、受信が困難なことがわかりました。私の実験はそこまで進んでいませんので私自身は実感が有りません。でも、機種は違いますが同じメーカの製品です。
友人のレポートで、DCモータの電源端子に普通は必ず入っていると思っていたノイズ軽減用のコンデンサが入っていないようです。

モータ端子とモータケースの間にコンデンサを入れる。
幸いにもモータの配線は解りやすい所にあります。チップコンなら何とか組み込むことが出来そうです。
友人は手持ちのコンデンサを組み込み大きなノイズ軽減効果を得ることが出来ました。

そしてさらに難問が発生しました。
微弱電波を出しながら、チュウニングを取り直そうとRCサーボを動かそうとしても全く反応しないと云うのです。10w位に出力を低減しても強烈なRF信号の回り込みでSWR計を見ながらのチュウニングが出来ないのです。
現在この対策はうまく行ってません。
強電界に曝されるRCサーボ本体に電子回路が組み込まれています。シールドするとか引き出し線にコアを入れるとか、月並みの対策しか思いつきません。
でもこの対策が出来ないと実用に耐えないことは云うまでも有りません。
頭を抱えながらいよいよバリコン制作に取り掛かります。

2015年3月4日水曜日

MLA・磁界ループアンテナを作ろう 5

いよいよ方針が固まり形が見えてきました。

目標は200Wで連続送信可能なモノ。
アルミフラットバーを使った直径約1.1mのループです。
アルミフラットバーの定尺は4mですから切らずに使えばもう少し大きくなります。しかし28MHz帯では負荷容量が小さくなり浮遊容量を考慮した場合実現不可能になると思われ3.5mで作ることを想定しています。
共振用バリコンは約60pF、耐圧7kV、バタフライ型です。
バリコン制御にはRCサーボを使いバンドごとのプリセット可能なものとします。ローバンドでは同軸ケーブル流用付加コンデンサを使用。
但しこれがうまく行くかは??? 疑問符がいっぱいついています。
疑問符のいくつかは製作段階で変更の可能性が有ります。

7kV超の高電圧  沿面放電に要注意!
高電圧に関してアマチュアの経験と勘に頼るしかありません。
今回の実験で対象物は短波帯の高周波電流です。直流とは大分様子が違うようです。
1mm-1kV 耐圧1kV必要なら1mmのギャップが必要、頭の中に書き込まれたこの数字不思議と大きな間違いはないようです。
7kVですから7mmです。バタフライ直列ですから3.5mmあればよい。
しかしこれで何回も失敗しています。電流が空中を通るならこれで良いのですが絶縁物が有るときは別です。
この部品はもう使えない
私たちの工作では絶縁物にガラスやセラミックなどは使えません。
しかし加工は容易ですがプラスティックの絶縁物は曲者です。絶縁物としての性質だけでなく誘電体としての性質も考慮しなければなりません。 と云うコトは電気を蓄えてしまうためその電位が変わってきます。そのため予想以上の高電圧が掛かる場合が有ります。
さらに、この絶縁物の表面を伝わって放電する沿面放電が有ります。これは気中放電(空気中を放電する)や貫通放電(絶縁物の中を通り抜ける)の10倍以上の距離を放電するようです。
参考写真は以前に作ったモノですが、ロータとステータ支持金具間で沿面放電を起こしたと思われます。
また絶縁物の耐圧はDC電圧で表示されてる場合が多いですが高周波ではその振る舞いが違うようです。
今までの経験で沿面放電は空中の5倍くらい今回の例では35mm以上離せば何とかなる??程度の自信しかありません。(天候で大きく変わります)
貫通放電にも見えますが?
出来る限り離しておきましょう。尖りが有ると放電しやすくなります。 同軸コンデンサが端子付近で放電しました。貫通放電にも見えますが沿面放電を起こし更に貫通放電に進んだと思われます。
同軸ケーブルの耐圧はフジクラの規格表では3D2V以上はどれも1kVとなっていますがコネクタ部分も考慮しての規格と思います。5D2V以上であればこの程度の電圧では貫通放電には耐えられると思われますがこの写真の例では10D2Vを使用しています。 *今までの実験ではケーブルの途中で貫通した例はありません。
同軸コンデンサの端子付近の写真ですが左側外皮は接続しないので充分距離を取り後ろへ折り返しテーピングします。
右側芯線は接続しないので芯線との距離を多くとりしっかりテーピングします。
雨でぬれたりすると絶縁耐力は低下します。放電は一度でも発生すると表面が炭化されてしまうのか電気の通り道が出来て使用不能になり、何回も作り直しています。
安全のためには充電部を露出させない工夫も必要です。これは放電対策にもなるでしょう。

* 高電圧の放電に付いて私は理論的裏付けを持ちません。高電圧測定器も有りません。
経験的に判断しているだけです。 危険が潜んでいる可能性が有ります。
* 動作がおかしいときは異常放電を疑いましょう。夜間に照明を消して見ると放電が見えることが有ります。

環境対応は
このバリコンは当然のように屋外で使われます。もちろん雨の日も。
そのためには防水とまで云わなくても防滴ケースぐらいは考えなければなりません。ケースとして色々な素材を検討してもプラスティックにならざるを得ません。
プラスティックは誘電体としての問題点の他、紫外線による耐候性の問題が有ります。
大きさだけを考えて適当な箱を用意しても屋外で1年も使うとひび割れして来ます。それらを考慮して行き着いたのは建材の塩ビ管。安い割に丈夫です。強いて言えば丈夫過ぎる?かもしれません・・・重いのが欠点です。
今回の実験では塩ビ管VU100を使用します。両端はVUキャップです。 同じ呼び寸でVPタイプが有ります。丈夫ですが重くなり不適当です。
試作を始めようと図面を書き始めましたがサイズが小さすぎるようです。
今回の試作ではかなり無理をしています。
もし実験して見ようと思われるならVU125のほうが良いかもしれません。ホームセンタなどで実物をご覧になりサイズを決定することをお勧めします。
また、VU125はあまり使用されないサイズで定尺でないと販売しない店も有ります。





2015年2月22日日曜日

MLA・磁界ループアンテナを作ろう 4

いよいよループアンテナ本体の考察をします。
実際の形はインターネットで MLA とか 磁界ループアンテナ とかの画像検索をすればその概略はすぐにわかると思います。
このアンテナが使われるシーンとしてはマンションのような狭い立地、移動局の仮設、が多いと思います。 MLAの姿は良く見えませんが画面左側にベランダから突き出ています。
使用可能周波数帯はHFから50MHz帯でしょう。
これより高い周波数では八木型の方が使いやすいです。
またHF帯でも3.5MHz帯より低い周波数帯では作るのが難しくなります。
使用可能周波数はとても狭いことは前にお話ししましたが使用周波数に合わせるためにバリコンが必要になります。
実はこのバリコンのお蔭で簡単にマルチバンド化が出来るのもこのアンテナの特徴です。上手に作ればHFすべてをカバーすることも可能です。

ループエレメントは大きい方がアンテナとしての効率は良くなります。 しかし一般的に購入できる金属材料の定尺サイズは4mです。 これ以上長いモノは繋ぐか特別な素材を見つけることが必要です。
形状は円形でなく、4角でも、3角でも、複数巻でも、よいのですが単巻の円形が無難です。
素材は銅かアルミが一般的です。加工のしやすさや重さを考慮するとアルミパイプを使用する例が一番多いです。
私はパイプより使いやすい(私の思い込み) アルミフラットバー をお勧めしています。

このアンテナは使用しない時にはベランダ内へ収納するようになっています。
他の居住者への配慮です。 自分ではカッコ良いと思っても苦情が出てからでは手遅れになります。
* 参考写真はJA1CXBさんのアンテナですが撮影時期は多少ずれているかもしれません。(撮影時、7MHz帯 非対応です)
試行錯誤の実験を繰り返し改良されています。

こちらのサイトに設計参考資料が有ります。利用させていただきました。【感謝!】
http://www.geocities.jp/jun930/
実際の計算はこちらから・・・
http://www.geocities.jp/jun930/ham/calmla.html
但しフラットバーについてはデータが有りませんけれど表面積が同じいくらいの条件で計算すればよいでしょう。

定尺4mのフラットバーをまるめて作った場合40pF程度のコンデンサで14MHz帯に使えそうです。しかし高い周波数・30MHz帯では10pF以下になります。
これは計算上の結果で、現実の問題では浮遊容量の影響で10pF以下は難しい条件になります。
ループエレメントを長くして1/2波長になるとコンデンサは限りなくゼロに近づき実現できなくなるでしょう。
(浮遊容量はゼロに出来ません)
ループエレメントを小さくして直径1.1m(周長3.5m)にすれば 14MHzで60pF、30MHzで13pF となりますから何とか作れそうです。 7MHz帯は付加コンデンサで対応します。
ベランダに二つのMLAを上げられるなら24MHzあたりを境にすると楽でしょう。