2013年2月21日木曜日

フライス盤DROの取り付け

今までフライス盤にはデジタルノギスを使ってDROまがいなコトをやいいてましたがテーブル位置によっては肝心のノギスディスプレーが陰になって見えないコトが度々、SWの切り忘れで肝心な時動作しないなど不便していました。
《参照》フライスにデジタルスケールを

http://park15.wakwak.com/~ja1cvf/diy/scale/scale.html

最近はDROのディスプレーキットが販売されておりノギス部分はそのまま使えそうでしたのでキットを購入してみました。
このキットの作者は緻密なDIYの作品も発表しています。
その作品はとてもよく出来ていますのでキットの出来栄えもよいだろうと購入を決めました。
注文して2日ほどで到着。
説明その他はすべてnet上にあり購入前の事前チェックもできますから安心です。一番気になったノギスの適合ですが、説明書にあった 『対応してないものであった場合はノギスを当方に送ってください 対応させて返送します』 の一言がこれなら安心と思ったのも事実です。

回路図は付いていません。部品表と写真を見ながら組み立てます。
出来上がった基板です。押しボタンSWは手持ちのキートップの大きいモノに交換しました。オリジナルのままではケースに入れたとき操作にひと工夫必要です。
右側の基板に付いているリード線はノギスの検査用の仮付けしたものです。ノギスとの接続用ケーブルは付属しています。

心配だったのはこのリニアスケールです。アメリカに行ったとき買ったもの(中国製?)で不適合ならあきらめるつもりでしたが、設定をやり直し24bit系でokとなりました。

ノギスとフライスの取り付け部分は完全に絶縁します。ビスも必要によりポリカボネイトのビス等で絶縁します。
ノギスの金属部分が1.5V電源の+端子につながっています。ケースは指定のプラスティックケースであれば問題ありませんがノイズを逃れるため絶縁して完全フロートにします。

絶縁は結構面倒です。プラスティックのシートを貼ったりプラスティックのビスなどを使うと取り付けの剛性低下し見かけ上のバックラッシュが増加したりしますので要注意です。
キットには接続用のケーブルがついてきましたがそれを使わず、両端にオスメスのコネクタが付いた延長用のUSBケーブルを使ってみました。
表示部とノギス部が分離出来フライスへの取り付けがとても楽になります。
なおコネクタ部分はキリコや切削油が飛び散らない高い位置になるように設置します。


LED表示器には濃赤色のフィルタも追加しました。
SWを交換したのは前述のとおりです。
このようなキットを自分の使用条件に合わせてアレンジするのは格別楽しいものです。
センサーのノギス取り付けについては参照addressのサイトをご覧いただくとして、我がX-1も随分重装備になりました。
DROが付きましたので作業中にノギスを見る必要がなくなります。ノギスを見なくてよければ取り付け場所はもっと良いところがあると思います。
DROの取り付けには場所がなく苦労しました。
それゆえ小型版を選んだのですがそれでも窮屈です。
とうとうギヤボックスの上に磁石で吸着しただけとなりました。
X-1のギヤボックスにはスピンドルの引きネジが飛び出していますのでDROを固定してはチャック交換の時など邪魔になります。
DROが磁石で吸着なので、邪魔な時はちょっと別の所に貼っておけばOK。
飛散した切り子がいつの間にか磁石にたまるのが難点です。
* 現在ノギスの防塵カバーが付いていません。キリコが飛び散る場合はカバーをすることをお勧めします。

このDROキットについてはこちらを参照ください。
http://iizukagiken.cart.fc2.com/ca2/27/p-r-s/

ノイズ対策
取説にもはっきりと 『ノイズに弱い 』 と書かれています。欠点についてはっきり書かれているのは好感が持てます。
それを覚悟して完全フロート式に取り付けたことは前述のとおりです。
組み立ててそのままのテストではノイズによる表示のチラツキなど気にならず 『これなら良いじゃないか』と気楽にフライスに取り付けた途端、フライスの電源はoffのままなのに激しい表示のチラツキ。注意したのですがノギスの絶縁不良がありました。
絶縁を確認して表示は安定。
フライスの電源を入れスピンドルのSWon、安定していた表示はパラパラ、設定まで狂う始末。
原因究明のためスピンドルモータのインバータ電源、すぐ脇にある蛍光灯、冷却用のブロア、キリコを吸い取る集塵器など同時に使う可能性のある機器の電源をon-offしてみます。
インバータと蛍光灯(切った時だけ)が影響しています。
とりあえずDROの電源にコアを入れてみます。 これでほとんど消えました。
しかし蛍光灯のSWoffのノイズは強力でした。
DROの近くにコアを入れてみました。黒いのが2個白いのが1個です。

これらの対策で表示のチラツキは解消されました。
ノイズ防止のコアの使い方には少々コツがあります。ノイズを出している所、ノイズが入って来る所、を見分けます。機器の出入り口付近が重要です。コアを入れて効いた様子が無いときには取りあえず外してよく効くところを探します。
1個で効かないときは数を増やします。電源の所に入れたコアには線を何回も巻き付けています。数を増やしたのと同じ効果があります。
最後の詰めとしてあまり効かなかった所を再確認してみましょう。相乗効果でスッキリなんていうこともあります。

ノイズ防止のコアは種類もいろいろ、使い方もいろいろでこれだけで『飯が食える』ほど奥が深いものです。私はまだまだ修行が足りません。