2013年9月5日木曜日

DROのノイズ対策はまだ不十分です。 完了しました(9月9日)

フライス盤X-1に付けたDRO、使用上問題になるノイズは充分抑え込んだつもりでいましたが使い込むにしたがって時々怪しげな数字が表れます。それは一瞬で計測中の値には影響しないのですが気ににならないと云えばウソになります。
ノイズ対策が不十分でした。
これからの話は制作時の話と関連する部分が沢山あります。こちらの参照linkを読まないと内容を掴めないかもしれません。
http://ja1cvf1.blogspot.jp/2013/02/dro.html
こちらにもさらに参照linkが有ります。
DROって何、と云う質問も有りました。それも同様参照linkをご覧ください。

これまでやっていたノイズ対策は、パッチンコアと呼ばれるケーブルに挟み込むフェライトコアを電源側に挟むこと、DROのセンサをフライス本体から電気的に絶縁し取り付けただけでした。
これはDROのACアダプタに入れたモノですが今回はただコアに線を通しただけでなく10回ほど巻きつけて効果のある場所を選んでいます。このようにすると10個分の効果が有ります。
パッチンコアは簡単ですがノイズ源の周波数によっては効きが悪いことが有ります。複数回巻くのはその対策の意味もあります。
今回はACラインをスピンドルモータ・ステップアップトランスの所で切断し写真のようなジャンクのコアを入れてみました。
右側の写真が解りやすいですが、大きすぎるので左側の小さいコアに2組のコイルを巻いて使っています。回路図は書きませんがACラインそれぞれの線にコイルが直列に入るだけです。
こちらの回路は電線が太いのでパッチンコアに巻くことはできません。

最終的にはトランスケースの横、小さなケースに入れて組み込みました。
本来はサーボアンプの3相電源にも入れたかったのですが巻き線の絶縁に不安が残ったので入れませんでした。
このようなコアの選択は使い慣れないと ハズレ をつかむことが有ります。素直にACラインフィルタを購入するほうが良いでしょう。これでもコアの選択を間違えると効きません。
蛍光灯(作業灯)もACラインの引き回しを変えて対応。


これで問題なく使えるようになったのですが、新調したX軸用のデジタルスケールを使うと動作が不安定です。
DROと云ってもデジタルノギスやデジタルスケールを使った簡易型です。組み立てキットとして購入した表示器も作者自身が 『インバータを使ったものには向かない』 と云ってる簡易型のキットです。
私のX-1はスピンドルモータをサーボモータに換装したフライスで基本的にはインバータモータそのものです。

新しいX軸用スケール
実は今までのスケールでは全く問題なく動作するようになったのですが新しいスケールを使ったことがきっかけで再度ノイズ対策が必要になったのです。
ノイズ対策はもっと別の目で見る必要が有りそうです。
今まではノイズを発生するフライスの電気回路とDROの回路を完全に絶縁してノイズを侵入させない方針でした。今回はフライスのアースと共通にしていますがフライスの摺動部分で接触不良によるアース電位差発生(ノイズ発生の原因)を抑えたつもりです。

新たな問題点の発生は?

X-1のフライステーブルは400mmのロングテーブルに改造したのですがX軸のスケールは200mmノギスのままでした。
実際に使う場合200mmのスケールでも有効長は240mmほどあり使用上はほとんど問題ありません。(テーブル幅が400mmでも使うのは中央付近だけ。端の方は工作物の固定金具エリアです)
*テーブルの前面に切子除けガードを付けその下にノギス改造のスケール・グリーンのカバー付きが付いてます。ベース付近に見える青カバー付きのスケールはY軸用。
しかしスリースカンパニの広告で300mmのスケールが¥6860(安い!)と云う広告を見てしまったのです。(400mmのテーブルには400mmでは長すぎます)
手が滑って?ポッチ!と押してしまいました。
このスケールは調子よく動作しているY軸やZ軸に使ってるスケールと同じモノと勝手に判断してしまったのです。

届いたスケールは予想通り同じメーカと思われますが新機能(読み取り速度が速い?詳細は不明)が追加されている新型のようです。気にせず組み立てたのですが・・・
私の場合スケールに付いているSW類は使用しませんのでデータ取り出しケーブルを付けたら熱収縮チューブで包んでしまいます。(切り子等の侵入防止、ケーブル接続部保護)
なお、このケーブルはDROキットの付属品(3芯+シールド)ではなくコンピュータのUSBケーブルAタイプ・オスメス(4芯+シールド)を二つに切ってスケール側にオスをDRO側にメスを付けています。これでスケールの脱着、配線、が楽になります。
USBケーブル流用は必ずしも信頼度が高いとは云えませんので特にお勧めするわけではありませんが趣味の領域なので 『具合が良いですよ』 と云えます。
USBケーブルの信号線(電源を含む)は4本でシールド線には電流を流さないで済みます。スケール(中華ノギスも同様)の信号は4本で電源の+ラインが筐体(GND)に落ちています。
シールド線は今回スケール(ノギス)の所で+ラインと筐体(GND)に接続し、DRO側ではどこにも接続しません。
DRO側、スケール側、どちらをシールドに接続するか、あるいは両側を接続するか、はノイズに大きく影響するはずです。
今の所スリースカンパニの新しいタイプでは完全にノイズを止める段階に至らず、確認の実験を完了していません。
ノイズ対策をいろいろ実験しているうちにスケールをフライス本体から浮かすことは中止しました。
その代りフライスのテーブルなど摺動部分のアースボンディングをしています。
また、スケールの電源は+アースですから勘違いしないように他の電源とは共用にしないほうがよろしいと思います。
いろいろやってみましたが新しいスケールを使える日はまだ先になりました。

考察
なぜノイズが多いか? スケールの電圧が1.5Vと低いので当然信号レベルも低いでしょう。それに比べ周辺ではかなりノイズを発生する機器が使われます。
これが大きな原因でしょうか?
旧式のスケールやノギスはスピンドルモータの電源offの状態ではノイズ対策をしなくてもほとんどノイズを拾いません。モータ電源SWonの状態でもステップアップトランスに入れたフィルタでノイズを取ることが出来ました。
なぜ新しいスケールはノイズに弱いか???

対策は完了しました。コメント欄をご覧ください。
*このDROで最終桁が1デジットふらつくのは機能上の問題で故障ではありません。