2016年1月30日土曜日

宙玉(そらたま)レンズを作ってみました。

虫の目レンズというのは有名ですが同じような発想の宙玉レンズ!
ざっくり云えば、魚眼レンズのような超広角で大深度フォーカスのレンズです。
クリックすると拡大できます
こんな感じに写ります。
中心の画像と周りの背景?がポイントです。一般的に虫の目レンズは中心部分だけです。
レンズ構成はいろいろあるようですが一番簡単な前玉に30mmのアクリル玉、カメラとの接続は手元にあったクローズアップレンズ(X2)を使っています。この部分はフィルタリングなどでOKです。
撮影原理は、凸レンズ(虫メガネ)を焦点距離以上離して目の前に置くと倒立の実像が見えます。
紙などに印刷された文字を見るように焦点距離以内に置いて大きく見るのは正立の虚像です。
この倒立の実像が見える範囲にカメラを置いて撮影したのが宙玉レンズの画像です。
ズームの取り方で鏡筒の映り込みが出ます
普通の虫メガネでは焦点距離が長く、画像が倒立になるだけですが短焦点のレンズを使うと広角になります。
その最たるものが球形です。都合のよいレンズを探すのは至難の業ですがガラス玉やアクリル玉は簡単に手に入ります。もちろん光学レンズではありませんので歪も有ります。
おもちゃのようなものですからあまり気にしません。
このレンズを使う場合必要な条件があります。
★ この画像を写すカメラですが接写ができること。
接写ができないと鏡筒がその分長くなって使い勝手が悪くなります。
レンズを付けるためのアダプタ(グレーの筒)
★ レンズを取り付けるフィルタ用ネジ(フィルタリング等のアダプタでも可)があること。
普通のカメラにはレンズの先端にフィルタなどをつけるネジが切ってあります。カメラによってはフィルタアダプタが別売になっているものもあります。コンパクトカメラの場合は要注意です。
◎ 私はキャノンのG12を使いました。このカメラはオートフォーカスで1㎝からの接写ができます。さらに別売ですがフィルタアダプタも販売されてます。
私はこの部分は自作品を使っています。こちらを参照ください。
http://ja1cvf1.blogspot.jp/2012/01/canong12.html
さらにG12はバリアングルのモニタが付いていますからカメラアングルを自由に選べます。
★ 写した写真を加工できるコンピュータ。
このレンズは中心画像と背景画像の微妙なバランスに楽しみがありますのでコンピュータによる画像加工が必要です。写した画像は、中心部が倒立です。180度廻したり、さらに鏡筒によるケラレなども手を加えたくなります。

鏡筒の組み立て
鏡筒周りの材料
鏡筒は塩ビ管の端切れ(76φの雨どい)です。長さは約67㎜です。
これに円板をはめて構成します。
アクリル玉は30㎜ですから2㎜のアクリル板に少し小さめの穴をあけて接着します。
写真ではよく解りませんが上の右側にアクリル球を付けた円板が見えます。
こういうレンズ遊びをやったことがあればこの板の固定方法はお解りと思いますが、鏡筒の内部に前後から帯板を貼りアクリル板を固定します。
円板の切り方
円板はセンタ軸(左側の細いピン)を中心として板を回転させながら切り出します。
カメラ側のベースは10㎜の板で作りました。
内径を間違えたので修正しています。ベース板に位置決め用のアタリ(下の写真に見える2本のビス)をつけて回転させながら内側を削ります。
このリングは鏡筒とビス止めです。内側の穴はフィルタリングの直径に合わせ側面から芋ネジで止めています。これらの加工はフライス盤を使っていますがボール盤でも不可能ではありません。
結構ハードルは高いですがお試しください。
ご不明の点があればコメント欄に書き込んでください。


円板(円盤)加工については ラベル・円盤加工 を参照ください。