2011年7月30日土曜日

ガイガーカウンタ 2  ( home-brew Geiger-Müller counter 2 )

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こんな感じにできあがりました。


使い方は簡単です。SW-ONすると液晶表示『 000.00 』が出ます。
RESETを押すと緑ランプが点灯し放射線を検知すると赤ランプが点滅します。カウンタ(液晶表示)も作動します。
緑ランプが消灯すれば計測が終了です。そのときの液晶表示が測定値です。
測定値の信頼度は『目安』程度で信頼性は高くありません。校正の方法が信頼度を左右しています。
校正の方法は一番安易な比較法です。信頼できる測定値と同じ表示になるように合わせるだけです。その一点だけしか合わせていませんので『目安』として使うレベルです。
 具体的には1分間動作させその数値を読み取ります。

最上部両端の金具でGM管を固定
その値と正確な値を比較します。そしてその倍率分だけ測定時間を調整します。
GM管の感度は変えられませんので時間で調整します。
この実験には高電圧の回路があり感電の危険があります。また、全く同じ部品を調達するには困難があります。電子回路に対して動作原理を考え、高電圧に対する注意と代用部品を選択できる程度の知識が必要です。


キーとなるGM管は秋葉原等で入手可能です。いずれもジャンク品あるいはそれに近いモノです。取説のないモノがほとんどです。netなどでお調べ下さい。

私が使用したGM管はロシア製です。 
秋葉原ラジオデパート
桜屋電機
<http://www.sakurayadenkiten.com/>で購入しました。
売り切れになる可能性があります。しかし基本的な使い方は皆同じで感度の差はありますがどれでも使えます。

SI-37G はガラス管フューズを一回り大きくしたサイズで取り扱いが楽な方です。フューズホルダを改造して基板に取り付けています。半田付けは禁物です。
このタイプの感度は高い方ではありません。


このGM管を働かせるためには400~500Vの電源が必要です。電流はほとんど必要なく電圧さえあればフラッシュライト電源、小型冷陰極管電源、などが流用できます。もちろん自作も可能です。
GM管周りには600V0.47μF(表示は474)のコンデンサや5~10MΩの抵抗など入手しづらい部品もあります。GM管と一緒にお求めになると良いでしょう。
このようなジャンク基板を使うとその中身は良くわかりません。私が使ったモノは1.5Vで動作するモノでしたが電圧が低く、3Vでは高過ぎ電源と直列にダイオードを入れ電圧を下げています。
電圧測定に内部抵抗の低いテスタを使うと電圧が低く表示されることがあります。また、電圧が高すぎるとGM管が連続放電し測定でき無いだけでなくGM管その物を壊すことにもなります。ご注意を!
このようなことは他のユニットでも同様です。
回路を追跡しスマートな改造をしている人も居られます。すこし見習わなくては・・・


この基板の裏には歩数計(OMRON HJ-005)を流用した表示ユニットがついています。

これの動作電圧は1.5Vです。古いタイプの赤LEDをツェナーダイオード代わりに使っています。最近の高輝度タイプや他の色では電圧が高すぎます。もちろん1.5Vのツェナーダイオードを使うえば間違い有りません。
アナログ表示も面白いですがこれを利用したもう一つの理由は先ほどの校正が簡単になることも大きな要因です。
このタイマーユニットのホールド時間を調整し見かけ上の感度調整をします。

しかし実際にはいろんな基板の寄せ集めで電源の極性が違ったりして結構厄介なモノです。
歩数計を使った場合チャッタリングを押さえるため早い周期のパルスには反応しないようになっています。HJ005の場合1秒に2カウントぐらいが限界のようです。基板上には3ヶ所にコンデンサがついていましたが、その辺をいじれば早い周期のパルス応答性が良くなると思います。
放射線の高レベル地帯では取りこぼしが増えこのままでは誤差が多くなるでしょう。

カウンタユニットとのインタフェースに使い慣れないフォトカプラを使ってみましたが電圧が低いためか、チャッタリング防止回路のためか、不安定な要素を含んでしまいました。
うまく働くフォトカプラを選別して使っています。


もう少し回路構成をしっかり考えればもっと簡単にできたと思います。
電池もニッケル水素2本(2.4V)にした方が良かった?高圧回路も大メシぐらいで全電流は約100mA !気になること多数で良いできではありません。

表示用のLEDは高輝度のグリーンを使っていますがICの出力電圧が低いですから白などは対応しません。1mA程度の電流で充分の輝度が得られます。


中身のできが悪ければケースぐらい格好良く作らねばなりません。
ケースはTAKACHIのLC115H-M2・単3x2電池ホルダ付きプラスティックケースを使いました。穴開け部分を紙の上に作図しピッタリ貼り付け加工します。
しかしGM管の長さがあまりにもピッタリ。少し余裕を持たせる意味でケースの一部(角の部分)を削りました。
基板取り付けようのカラーも歩数計ユニットを取り付けたため真鍮の板を丸めて高さを合わせています。



表面パネルはプリンタで作り透明アクリルを被せて少しでも見栄えが良くなるように作ってみました。


【 放射線の線種と測定方法について 】
放射線にはご存じの通りα線、β線、γ線、中性子線などがありますが私自身、理解度が低く、色々な資料を鵜呑みにしてる状態です。
GM管はβ線も検知しますが主にγ線を測定します。
簡易型線量計もγ線を測るモノがほとんどです。
私の場合、β線についてはその飛翔距離を考え標準的な位置 『地上1m』 を測定位置として特にβ線カットのフィルタを入れてません。
β線の遮蔽には薄いアルミ板・・・の記述がnet上に見えますが薄いの表現は曖昧で資料により2~5mmの違いがあります。飛翔距離も0.5~1mの記述も見られます。

これらを総合的に判断し 『地上1m』 ならβ線はほとんど無いと考え単純にパルス数を数えて、これをγ線の数としています。
1分間に6~7CPMをカウントしたとき、同じ場所の町の測定データは0.16μSv/hでした。

複数回測定し平均化する。
これを基準値に測定時間を2.5倍すれば近似値が得られるモノとしています。
1分間(60秒)の平均値・・6.5
時間軸を2.5倍(150秒)にすれば・・6.5X2.5=16.25  小数点以下は切り捨てられるので・・16
この倍率は実測しながら決めています。かなりいい加減!!
この時歩数計の表示は 00016  下2桁目に小数点と単位を書き込み・・000.16μSv/h
これでCPM→μSv/h の変換が出来ました。


★最近気がついた新たな問題点。(8月5日追記)
表示の不具合は歩数計の取りこぼし以外にプラスティックケースの静電気が悪さすることに気がつきました。高圧回路とケースが近づきすぎる部分がありケースを手で擦ったりすると過大カウントすることがあります。
高圧、ハイインピーダンス回路は嫌ですねえ!


参考資料
http://p.booklog.jp/book/30823
こちらのサイトに漫画化された 『放射線の正しい測り方』が紹介されています。



【 メインメニュウに戻ります go to INDEX page 】
http://park15.wakwak.com/~ja1cvf/

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